注文住宅建設までの流れ

注文住宅建設までの流れ

札幌で家を建てた私もそうでしたが、多くの方にとって初めての注文住宅は、わからないことがたくさんあります。まずはじめは、注文住宅が欲しいなと思ってから、実際にマイホームを手に入れるまでの流れをおおまかに理解しておきましょう。ここでは大まかな注文住宅の流れと、それぞれの時期にすべきことを説明していきます。

イメージづくり

イメージづくり

注文住宅が欲しいと思ったら、まずはイメージづくりからはじめましょう。漠然と家が欲しいと思っても、それがどんな家なのか、具体的になっていないと、予算も依頼先も決まりません。どんな家を建てたいのかを家族で話し合い、理想や希望を具体的にまとめてみてください。

理想や希望の具体例
  • 自分だけの書斎が欲しい
  • 最新のシステムキッチンが欲しい
  • 憧れの薪ストーブが欲しい
  • 趣味のバイクを楽しみたい
  • ピアノを置きたい

要望をリストアップしたら、ひとつひとつ優先順位を決めましょう。優先順位が決まっているということは、何を残して何を削るかといった判断がスムーズに下せることにつながりますので、予算オーバーなどの不測の事態にも計画が滞ることなくスムーズに進んでいきます。

イメージをより具体的にするための情報収集

内外装や間取りについてアイデアを得るために、近くの住宅展示場などに情報収集をしに行ってみるのもおすすめです。新築戸建てに捉われず、マンションのカタログやパンフレットなどからもイメージは膨らみますので、積極的にピックアップしてみてくださいね。

また、自分たちの理想とする設備や取り入れたい装飾材などが、実際に導入されている施工事例なども探してみると良いでしょう。

情報収集の方法
  • インターネットで今売り出し中の物件情報を調べる
  • 親や友達に家が欲しいと相談してみる
  • 住宅展示場に足を運んでみる
  • 気になる建売物件に足を運んでみる
  • 住みたい地域の学校の評判や地域性を調べる など

家の外観や内装、設備、間取りなどに注目し、自分たちの理想に近い住宅にはどんな素材が使われているのか、どこのメーカーのなんというキッチンか、といった具体的な情報を集めてみましょう。どれくらいのグレードのものにどれくらいの費用がかかるのかといった相場観も養われてきます。

他にも、断熱材や工法など家の性能面に関する商品ラインナップや、具体的にどのくらいの広さが必要か、どんな敷地条件の土地が必要かといった、施工業者選びや土地選びを意識したイメージづくりができれば言うことなしです。

収集する情報の具体例
  • 家の外観や内装、設備、間取りなど
  • どんな素材が使われているのか
  • どこのメーカーのなんという設備か
  • その設備や素材にかかる費用は?
  • 工法や構造、使われている断熱材は?

予算決め

だいたいの家へのイメージが決まったら、今度は予算を決定します。通常、家を買う場合はみなさんローンを組んで、計画的に返済していきますので、まずは自分たち家族が、いくらまでローンを組むことができるのか、調べてみましょう。

インターネットで「住宅ローン いくらまで」などと調べれば、簡単に検索できます。住宅展示場で営業マンに相談すれば、今の世帯年収から、だいたいいくらのローンが組めるか教えてもらえる場合もあります。

予算は、「組める住宅ローン+頭金」を最大として、実際に月々の返済にならすと、いくらまでなら許容できるかを考えます。30年で返済するのか、35年で返済するのかなど、いつまで返し続けることができるかも、同時に考えなければなりません。

賃貸物件にお住まいの若い人なら、定年を迎える65歳までに今の家賃と同じ額で返済していくようにすれば、無理なく返済ができると言われています。

土地探し

土地探し

注文住宅の家を建てるなら、土地がなければ話になりません。土地は、不動産業者か注文住宅業者に相談します。不動産業者は土地を売って終わりですが、注文住宅業者は、土地購入からがはじまりなので、かなり親身になって土地探しを手伝ってくれることが多いです。もし、すでに注文住宅業者が決まっている場合は、土地の相談にも対応可能かどうか確認しておきましょう。

土地探しをする際の注意点としては、建築条件の有無が挙げられます。以前なら、土地は土地、建物は建物として売られていましたが、最近では建築条件つきの土地が増えてきました。これは簡単に言えば、「その土地を購入する際は、指定した業者で家を建てる」という条件がついた土地のことです。

建築条件がない土地に比べて割安である反面、業者を指定されてしまうため、業者をとるか土地を取るかで迷ってしまうこともあります。ただし、好立地の土地は大手の会社が独占販売していることが多いため、よほど強い希望がない限り設備・工法で不満が残ることはないでしょう。

もし慣れない土地を購入するなら、利便性だけでなく、災害の心配はないかや、できれば朝・昼・晩の3回足を運んでみて治安や環境、近所の様子を確認してみてください。

また、過去に水害被害がないかも要確認です。天災は予知しにくいものですが、水害は過去に起こっている場合、再発する可能性が考えられるので、ニュースや図書館等で調べて見ましょう。

購入したい土地が見付かったら

購入したい土地が絞られてきたら、敷地面積や建ぺい率・容積率などの法規制を確認し、どんな広さや高さの家が建てられるのかを明らかにしておきましょう。

建ぺい率は、土地の面積に対して、建築面積がどれくらいまで取れるかの制限で、また、容積率は土地の面積に対して、延べ床面積がどれくらいまで取れるかの制限です。たとえば、40坪の土地で、建ぺい率60%という制限があれば、土地全体の40%である16坪は庭や駐車場にするなどして、家を建ててはいけません。容積率100%なら、100㎡の土地に1階・2階合わせて100㎡までの延床面積の家を作ることができます。

この他にも、斜線規制という建物の高さ制限や、建物が道と2メートル以上接していないといけないという「摂動義務」など、土地には様々なルールが敷かれています。

土地が自分のものになったからといって、どんな建物でも建てていいわけでは決してありませんので、自分の理想の家がその土地で建てられるのか、今一度確認しておくようにしましょう。

契約

契約

土地を決めて、プランや間取りなどを何度も打ち合わせを重ねて理想の家がイメージできたらようやく契約になります。
この契約は、今後数十年の生活の質を左右するものです。必ず全ての文言に目を通し、理解できない・わかりにくいところがあったら担当者に確認しましょう。

特に最低限確認しておくべきことは、

  • 施工スケジュール
  • ローン特約
  • アフターサポート(倒産や問題が起きたときの責任の所在)
  • 具体的な見積り、とそこからどのぐらい増減する可能性があるか

などでしょう。初めての注文住宅で「聞きたいことがない」なんてことはありえません。
そのほかにも疑問を感じたら積極的に質問してください。

また、打ち合わせ時に口頭で約束したことを後から「言った、言わない」で争うケースがかなり多く見られます。
そういったトラブルを避けるには、議事録を取ること。打ち合わせ時には毎回複写用紙を使って議事録をとり、原本と写しに担当者のサインをもらい、片方を担当者に渡しましょう。
面倒な手間ではありますが、後悔しないためにはそのぐらいの準備はしても良いと思います。

施工

施工

施工が始まってからは、できることもないし待つだけ、ではいけません。

できるだけ現場に足を運び、職人の方と接する機会を持ちましょう。その過程で職人が施主(あなた)に確認したいこともその場で解決できますし、あなたが疑問に思ったことや伝え切れなかったイメージも明確に伝えられます。

もちろん仕事を邪魔してはいけないので長居は禁物です。またお昼時は貴重な休憩時間なので邪魔しないようにしましょう。午前中か午後に、差し入れを持ってサッと挨拶するだけでもいいでしょう。

プロとはいえ職人も人間です。自分の仕事に興味を持ってくれる施主のためには、頑張ってくれるもの。とはいえ見られるのに抵抗がある職人もいるので、あまりしつこくするのではなく、気持ちよく仕事してもらえるよう臨機応変に接しましょう。

着工から工事完了までの大まかな流れは、以下の通りです。

地縄張り

地縄張りとは、建物の大きさの把握や部屋割りをするために、設計図書を確認しながら、敷地に縄やビニール紐を張って、建物の配置を示す印を地面につける作業のことを指します。建物の位置などのイメージを確認することができますが、何もない土地に縄が張ってあるだけなので、なんとなく小さいような、狭いような感じがしてしまいます。しかし、このあと工事が進むにつれて、どんどん大きく見えるようになっていきますので心配いりません。

また、このときに「地鎮祭(じちんさい)」という、工事の無事を祈る儀式を執り行いますが、マナーとして神主さんへ約3万円の謝礼を支払うのが一般的です。

基礎工事

家の土台となる部分を作るための工事です。パワーショベルといった重機で基礎の底となる高さまで土を掘り、型枠を組み、コンクリートを打ち込んだら、何日か乾燥させ、床下断熱材などを施工します。このとき、玄関やテラス、勝手口、エコキュートの台なども、一緒にコンクリートを打設します。工事期間は4~5週間程度が一般的です。

建て方工事

建て方工事とは、構成材を組み立てる工事のことを指します。鉄骨造建築であれば仮ボルト締め・歪み直しまでの作業を、木造であれば、柱、梁、根太、屋根垂木、最後に棟木を組み上げるまでの作業を指します。

木造屋根の骨組みである、小屋組みという工程で、「棟木」という部材が組み上がり、屋根の仕上げ材であるガルバリウム鋼板などの下地になる野地板を設置する工事が完了すると、大工さんの作業は完了となります。1階柱から屋根までがたった1日で組まれ、あっと言う間に建物の全貌が明らかになるのでとても見応えがあります。

この日は「上棟式(じょうとうしき)」という、建て方工事が終了したことに感謝し、大工さんを労う儀式が執り行われます。棟梁や職人さんへのご祝儀、お神酒、米、塩、宴会の料理などを用意しなければなりませんが、最近ではコスト削減のために上棟式を簡略化するケースも増えています。

断熱工事

下地ボードを張り、建物の外壁・天井・床など、外部に面する部分に断熱材を入れたり、屋根材や窓を取り付ける工事です。家の断熱性は断熱材の断熱性能そのものももちろん重要ですが、なにより工事の良し悪しで決まってきます。というのも、断熱材は隙間を作ると本来の断熱効果を発揮することが難しいのです。現場の職人さんや施工業者の営業担当者に任せきりにするのではなく、現場に足を運び、自分の目で確かめ、チェックすることをおすすめいたします。

内外装工事

外壁の防水工事、左官工事、塗装などが進んでくると、外観が徐々に出来上がり、新生活のイメージも膨らんできます。また、内装もクロス張りが終わると、本当に広く感じますので、どこにどの家具を置くかなど、想像がつきやすくなります。フローリング貼りなどの床面仕上げ工事、造作家具や建具などの工事と進んでいき、ついに完成です。

引き渡し

引き渡し

工事が完了したら、建築確認申請の通りに建物が完成しているか、工事監理者、役所による検査が行われ、施主や工事責任者、設計者が立ち会い、あらためて仕上がりの確認をします。設備の動作確認や、傷・汚れのチェック、設備の取扱説明書や保証書の所在などもしっかり確認しましょう。問題が無ければ引き渡しとなり、鍵や書類一式が手渡されます。

引き渡しが完了したら、新築建物の登記簿を作るための表示登記と、権利書を作るための保存登記の申請が必要になります。各種書類の手続きが終わったら、いよいよ新居での暮らしがスタートします!